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犬田卯2

機関誌「農民」
農民文芸会の機関誌として、犬田卯が中心となり創刊。シャルル・ルイ・フィリップの記念講演会がをきっかけに農民文学運動が興隆した1920年代、大同団結をうたって都会的なプロレタリア文学と一線を画しての農民自身による解放・文化創造を目的としした。

主な作品
『土に生れて』(1926)、『日本農民文学史』(1958)

「愛と命」より
「沼はいまごろいいだろうな------」
口に出して言うと、妻も
「いいでしょうね。-----でも、まだ帰るわけにはいかないわ。」
「帰った方がいいかもしれないよ。-----すべての点で・・・・・」
今頃は、カル鴨が静かな水面にゴマでもまいたように浮かんで、嬉々として泳ぎまわっているであろう。枯れた真菰の中には、白さぎが長い足を立てて、そして、じっとあたりをうかがっているであろう。鮒をとろうとする「見捕り」の舟も、あちこちに見えることであろう。
霞ヶ浦の茫漠とした、つかみどころのない眺めにくらべて、牛久沼のそれは、一つのまとまりがある。久しぶりに沼を眺めることによって、この無味乾燥な病院生活からくる退屈さを少しはまぎらすことが出来るかもしれぬ。
(病床での日記、「愛と命」より抜粋)

「愛犬太郎(スピッツ)と牛久沼を望む自宅庭にて」画像を観る