住井すゑ1
橋のない川であまりにも有名な女流作家、犬田卯氏と結婚し本名は犬田すゑ
明治35年、奈良県磯城郡田原本町生まれ、平成9年6月16日牛久沼畔にて永眠 享年95歳
4人の子を育てながら農民文学運動を続ける。「橋のない川」全七部を通し被差別部落の人間像を描き、一貫して人間平等の思想を貫く。
自宅庭に学習舎・抱樸舎を開き、平等思想の学習の場、文化交流の場を提供した。
著書には「橋のない川」の他、「住井すゑ対話集」「向い風」「野づらは星あかり」「夜あけ朝あけ」「牛久沼のほとり」などがある。
抱樸舎
牛久市城中町の、牛久沼を見下ろす高台に抱樸舎がひっそりと建っている。かつては住井すゑさんを中心に学習会が開かれていた。主を失った今も学習会は継続され、毎月第一月曜日に開かれている。すゑさんの精神、平等思想がこの会によって今も受け継がれている。
すゑさんの書斎
抱樸舎の門をくぐると右側が犬田氏の母屋で、左側に抱樸舎が建っている。そして正面奥に生前すゑさんが執筆活動に勤しんだ書斎が別棟になっている。
没後一年を過ぎた今もすゑさんの息吹が聞こえる。書斎は当時のままで、雑然とし、沢山の書籍で溢れている。
この部屋からあの大河小説「橋のない川」が生まれ、素晴らしいエッセイス集「牛久沼のほとり」が生まれたのだと思うと感慨深いものが去来する。
庭先から小鳥の鳴き声が聞こえ、さらに其の先には牛久沼がある。なる程、良いところだな、95年間の人生を自然とともに自然体で生活されたすゑさんに敬意を表します。
(平成10年6月21日記)
「橋のない川第八部遺稿」画像
すゑさんの遺骨と遺稿、そして愛用の万年筆。原稿に目を通すと「橋のない川第八部」と書かれたまま、後は空白である。おそらく構想は着々と進んでいたはずであろう。第八部が未完の章となった事を只々残念に思う。