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「男はつらいよ・寅次郎真実一路」三

筑波山
晩秋の常磐路。しなやかで雄大な筑波山を背後に、2両連結のジーゼル列車が走り去る。
今では懐かしい、関東鉄道筑波線。この映画公開の2年後(昭和62年)、数々の思い出を残して廃線となる。

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筑波神社の参堂を行き交う大勢の参拝者。
 ずらり並んだ露天。がまの油売り、そしてサンダルの叩き売りをする寅次郎。寅次郎はがまの油売りに負けずと「泥棒の始まりが石川五右衛門なら英語の始まりはABC・・・・」と、いつもの口上を大きな声で喋る。そこにはテキ屋家業と言う自由奔放な寅次郎の姿があった。

 どこで仕事をしてもいい。この気楽さは、寅次郎を常盤路へと向かわせた。紅葉狩りで賑わっている筑波山へ。その心の中は、ふじ子への想いでいっぱいだった。何かのついでにもう一度逢いたい。全国規模で商売をしている寅次郎にとって、牛久沼と筑波山は目と鼻の先だった。
 やがて、富永病気との知らせを受け、寅次郎はふじ子のもとへ行く。それが富永の失踪と分かり、彼女の力になってやろうと奮起するのであるが・・・・。

牛久沼、二

 ふじ子との二人っきりの富永探しの旅は、切ない思い出だけを残して、なんら成果がなく柴又へ戻った寅次郎。
 寅次郎は、心のどこかで、富永が戻らないことを祈っていた。そんなことを考える自分の醜さが嫌になり落込む寅次郎。ふじ子のことを忘れて、旅に出ようとしていた寅次郎のもとへ、ひょっこり現れた富永。富永は不精ひげを生やし、うろたえた表情をしている。
 突然の富永出現に、トラ屋は大騒ぎ。ただ、ひたすらふじ子の幸せを願う寅次郎は、富永の手を引っ張り、急ぎ足で牛久沼へ直行する。

 タクシーが富永の家で止まった。寅次郎と富永が降りる。
寅次郎は玄関を開けて、「奥さん、奥さん居るかい?」と、ふじ子を呼ぶ。
遠くからふじ子の声「寅さん?どうしたの?」
「だんなさん帰ってきたよ、今すぐつれて来るからね」
寅次郎は、玄関先で待っている富永に声を掛ける。「行ってやれ!、しっかり二人を抱いてやれ」
富永とふじ子の再会。ふじ子は富永の体を叩きながら泣き崩れる。
「パパ!どこ行ってたんだよ。ママ泣いてたんだよ」と泣き叫ぶ息子。

 その様子を玄関先からじっと見つめている寅次郎。"これでいいんだ、これでいいんだ、ふじ子さへ幸せになれば≠ニ自分に言い聞かせる。
しかし、寂しさを隠し切れない寅次郎はじっと牛久沼を見つめている。"これでいいんだ、これでいいんだ≠ニ沼に話しかけるように。

寅次郎は、「おとうさん釣れるかい?」と、釣り人に声を掛ける
釣り人は「釣れない」と、せつない返事。

寅次郎は再び旅に出る。

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