河童百図
昭和13年俳画堂より発刊、芋銭最後の画集。河童の芋銭と言われた所以はこの画集にある。昭和53年に復刻版が綜合美術社から出版されている。
芋銭が描く河童は誰がみてもすぐに理解できるほど軽妙で風刺的で、こどもから老人にいたるまで愛好されている。しかし彼が描いた河童の絵は中国古代思想の老子や荘子の哲学が根底にあり、その作風は北斎漫画、浮世絵、さらに錦画、民俗資料、妖怪文献などの関わりを持っている。
河童百図その一、山水悠々
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河童を描くにあたって、芋銭の言葉
河童の眼を描くのはむつかしい。支那の画人で有名な人も一番あとで描入れたと言ふ。河童の眼は、まぽろしを持って居ねばいけない。まぽろしとは河童のこころを出すのであって恰度霞の中にぴかりと光るやうな鋭さがなければいけない。このこころもちで描くとよい。最初薄墨で描いて、追々濃くしていく、そして終りに瞳を入れる。二三年前も私はこのことを※柳月君に教えたと思ふ。そして眼は大きくならぬ方がよい。
※俳句詩「ちまき」主宰者の川村柳月のこと