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設 立 趣 旨 書

特定非営利活動法人 龍ヶ崎の価値ある建造物を保存する市民の会

設立代表者  佐川勝利
近年、中心市街地の衰退が全国的に広がる中、稲敷地方の中核都市として栄えた龍ケ崎市も、市街地の空洞化が進み、明治・大正・昭和初期に建てられた店舗や倉庫、煉瓦建造物等が、かつてない速さで壊され、姿を消しております。
郊外に大型店舗ができたことや、それを可能にした車社会の発展、人々のライフスタイルの変化、商店街の後継者の問題、また、竜ヶ崎ニュータウンの開発に伴い、様々な公共施設が旧市内から移転し、従来の求心力が低下したことなど様々なことが原因と考えられます。
背景には多岐に亘る問題が横たわっていますが、私たちは、龍ケ崎市の街に残る建造物を保存し活用することで、街の歴史を語る「顔」を一つでも残したいと思います。中心性を失いつつある市街地において、それらの建造物によって、街を語る核としての物語が紡ぎ出せると考えています。そして時間を経てきた建造物は、町のアイデンティティーとして多くの市民の心の財産となり、街の活性化に役に立つ物となり得るはずです。
現在、地球規模の環境問題からコンパクトな街づくりのあり方が、重要視されていますが、そのような観点からも、価値ある建造物を保存し活用していく意義はあると考えます。
当会は任意団体として平成14年5月、龍ヶ崎の価値ある建造物の一つ、旧小野瀬邸の保存を求める署名運動をきっかけに、同年11に月発足しました。(「龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会」)
旧小野瀬邸は市内在住の菅井澄夫氏が所有者となられて街に残ることになりましたが、菅井氏と当会は、旧小野瀬邸の保存・運営に付いて継続的に話し合うなかで、旧小野瀬邸を登録文化財に申請、平成15年11月21日龍ヶ崎市の第一号となる登録有形文化財に認定されました。
その後、登録文化財、旧小野瀬邸において、撮影・写真展、アート展初め、数々のイベント開催や紹介冊子の製作など多彩な活動を展開してきました。イベントでは「より多くの方々と古い建物の価値の共有化すること」を主眼に活動を重ねて来ましたが、毎回多数の市民の皆様のご参加をいただくことができました。一方で、旧小宮山邸の調査や、明治に造られた駅前の赤レンガ塀の調査、保存の可能性を探ってきました。
以上は任意団体として活動してきた4年間の軌跡ですが、非営利活動であり、その部分を公にすることで活動を一層広く発展させるために、この度「まちづくり」と言う公益の観点から私たちの組織をNPO法人として申請するものです。龍ケ崎市に点在する価値ある建造物を保存することは、その所有者のみならず地域住民の努力と力が必要であると考えています。
そして、街のアイデンティティを守ることは、街に住む一人ひとりのアイデンティティーにも反映され、直接・間接的に街に住む人々の意識に働きかけ、街に住むことの豊かさを感じる契機となるはずです。町の記憶がそこに住む人々の記憶に重る部分があってこそ、町は人の住む街になると考えます。
龍ケ崎も、今立ち止まり努力しなければ、取り返しのつかない事態になることを認識するものです。保存という概念に「再生」が含まれるように、広く保存の概念を捉え、NPO法人として豊かなまちづくりへの一端を担いたいと決意しております。