八坂神社

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若柴宿の入り口、大坂を登り切ったところに八坂神社がある。周りは門構えの旧家が建ち並び、若柴宿の中でももっとも宿場の面影を残したところである。まず鳥居が目に付き、石段を数段駆け上ると社殿がある。社殿の隣に桜の木と銀杏の木が1本ずつ、裏手は竹藪になっている。旧若柴村(下町、仲町、上町、横町、向原)の鎮守八坂神社である。竜ヶ崎(中心市街地)の八坂神社と区別するため若柴八坂神社と明記することもある。

社殿は平成元年に建て替えられたものだが、なんだか貧そうに思える。しかし地元では八坂さんと呼ばれ親しまれ、毎年7月27日には御輿担ぎで賑わう祇園祭が行なわれる。

八坂神社は京都の八坂神社を本社とし、その特色づけるものとして祇園祭が行なわれる。それが全国に展開し、規模こそ異なるが各地の夏祭りの定番となっている。

祇園祭の担ぎ手は氏子後援会が中心となって町内から集められ、それに子供御輿が加わり、こちらは地元の小学生高学年が担ぎ、更に低学年用に花御輿が用意されている。

祭は真夏の日差しを避けて夕方の4時から始まる。神主の祈祷が終わると、大人御輿、子供御輿、花御輿が一斉に持ち上がり、ワッショイワッショイと町内を練り歩く。10分ほど進むと一休み、また10分ほど進むと一休みし、その都度神主の祈祷が入る。その繰り返しで町内をゆっくりゆっくり進み、3キロほどの道程を2時間半費やして午後6時半、御輿は八坂神社へ戻る。その模様はさながら若柴の真夏の風物詩と言えよう。


さて、不思議なことだが、八坂神社の位置するとろの周囲に下町・上町という地名をよく聞く。竜ヶ崎上町の八坂神社の場合も然り、若柴の場合も字下町となっている。それは、決して偶然ではなく、八坂神社の勧請と村の開発、つまり町場造りとの密接な関わりが考えられるからで、町場が大きくなるに従って、下町・上町というふうに区分けする必要があったからだろう。

八坂神社

祇園祭