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星宮神社
ほしのみやじんじゃ
住所 茨城県龍ケ崎市若柴町683
旧若柴村(字下町、字仲町、字上町、字横町、字向原、字富士ノ下)の村社。管理者宗教法人星宮神社。
現在もこれらの該当地区住民で組織された氏子総代が、宗教法人星宮神社に協力し、維持管理祭儀が行われている。
創 建
天慶四年(941)四月十三日に常陸国大掾貞盛によって社殿、拝殿を建立、寄進された。平貞盛はこの神の信仰篤く再々参詣されたと伝えられている。
現在の社殿は天保十二年に全氏子に依り再建、平成元年全氏子に依って社殿は修理され拝殿は改築されたものである。
祭 神
星宮神社は、延長2年(924)の正月13日に、肥後国八代郡八代(現熊本県八代市)から分霊勧請して祀ったものと伝えられている。この社の祭神は天御中主大神で、つまり全和全能の創造の神様で、分かりやすく述べると、大宇宙に最初に現れたあらゆる創造物の総元締めで、天の真ん中に位置する神様と言う事なのである。星宮神社の名前の所以は、天の真ん中で輝く北極星から採ったと考えられている。ちなみに八代神社は天御中主命を祭神とし、別名を妙見宮と称している。
伝 説
駒止の石
平将門の乱の時代、平貞盛の乗った馬が石の前で突然動かなくなった。不審に思った貞盛が周囲を見渡すと、星大明神の祠があった。そこで、この祠を懇ろに参詣すると馬は再び動き出した。以後この石は「平貞盛の駒止の石」と呼ばれ、今でも星宮神社境内に残っている。
平貞盛 駒留の石
病気快癒祈願
若柴では病気になったら、星宮神社の椎の木に藁の人形を作って杭で埋めてお祈りすると治ると云われている。更に病気が重く、危篤の場合はこの神社でお百度参りをした。
境内にある石碑、道緑神様(ドウロクジンサン)にお祈りすると足の病気が治ったと云われている。
ものもらいにかかった時は、近所の家に行ってオムスビを貰うと治ったそうです。
うなぎを食べない村
若柴では決してうなぎを食べない、それは若柴の鎮守、星宮神社の神様の使いが、うなぎだからだと言う。ある人がその禁を犯し、うなぎを食べてしまった。するとその人は病気になり三日三晩苦しんだという。
御手洗乃池
御手洗乃池の淵には大きな欅が聳えていている。この欅を伐ってはいけない、また枝を落とすのも、落ちている枝を拾うのもいけない。触ると運が悪くなると云われている。
若柴のご祭神は首に鰻が巻きついている。そのことから鰻を食べると目がつぶれると云われている。だから村人は決して鰻を捕らないし食べない。もし誤って鰻を捕ってしまった場合は御手洗池に放したという。
御手洗池には鰻がうじゃうじゃいる。日照りで水がなくなると、水の底から地面を伝って海に出たといわれている。
うなぎを食べない村 虚空蔵信仰との関連
虚空蔵信仰は真言宗と関系の深い信仰で、"虚空のように広大無辺の福徳"と言われている。この虚空蔵信仰に関連したウナギをめぐる伝承は豊富で、虚空蔵様のお使いだからとか虚空蔵様の好物だからという理由で、特定の村や集落がウナギを食べない伝承は各地で聞かれる。
ウナギは虚空蔵信仰を護持する者たちによって、その生態や蛇に似た形態から畏怖されるものとして、ウナギに水神そのもの、あるいは水神の指令者と考えられていたのであろう。
おそらく星宮神社が九州の八代神社から分霊した際に妙見信仰(北極星、北斗七星を神とする)が伝わり、その後何らかの形で虚空蔵信仰と入り交わり、水神としてのウナギの要素が結びついたと思われる。特に毛野河流域(現小貝川や牛久沼を含む)は中世の昔から洪水が頗発して、それを鎮めるためにウナギと水神を関連させた可能性も考えられる。
のちの明治の神仏分離において祭神が妙見信仰の流れを汲む天御中主大神(全和全能の創造の神)となり、虚空蔵信仰は切り離されるのであるが、行き場を失った水神としてのウナギの要素は、ウナギが天御中主大神の首に巻き付くことでかろうじて保たれるのである。そして村人の間で「星宮神社の神様の使いウナギを食べると目がつぶれる」と言い伝えられるようになったのだが、天御中主大神の首に巻きついたウナギを見た者は誰もいない。