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ねがらの道

ねがらの道(椿の小径)

ねがらとは、根がはびこると言う意味で、台地下に沿った道に付けられた一般名詞である。しかしそれはあくまでも語源で、このねがらの道には根がはびこっていない。

若柴の台地と「台の下」と呼ばれる低地をつなぐ斜面林が続き、そこにはやぶ椿が群生することから椿の小径と言われることもある。やぶ椿は2月頃に見ごろを向かえる。

伸びた木々がまるでトンネルのように覆っていて、シーズンを通して野鳥の鳴き声が聞こえる。

台地と台地下は延命寺坂、会所坂、足袋屋坂、鍛冶屋坂の4つの坂道で結ばれている。

ねがらの道を歩くと、ところどころに池がある。その池は種井(種池)と呼ばれ、清水が沸いている。

種井(タナイ)

ねがらの道を歩くと、ところどころに池がある。その池は種井(種池)と呼ばれ、清水が沸いていて種もみを浸したと言われている。その後稲作りの重要な水源になり、流れる水は稲田に引かれ、溜まっている水は農作業で汚れた手足や農具を洗うのに利用された。

農家が多くなるにつれて自然に湧く清水だけでは足りなくなり、井戸を掘るなどの方法を採ったと思われる。また、水を溜めるために土手を築き、木を植えて土手を保護したと考えられる。

初午の次の日に"種井払い"と言って、溜まっている水を汲み出し、池の周囲を綺麗に掃除し、種井払日待と言って一杯飲みながら懇親会が始まる。若柴の人々にとっては単なる水源ではなく、心の拠り所として今もなお根付いている。

かつては若柴の下町、仲町、上町、横町、向原、富士ノ下の町ごとにあったが、現存するのは仲町、上町、横町の3箇所で、いまでも仲町と上町の種井は清水が沸いている。